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- 2025.07.05
- 不動産経済ファンドレビューに当社代表取締役永谷将人のインタビューが掲載されました
グループ力活かし割安エリアでグロースをねらう
金融機関と協働、事業再生型案件にも積極関与

信和アセットマネジメント
永谷 将人 副社長に聞く
大阪に本社を置く総合不動産会社、信和グループが開発するレジデンスを中心に投資機会を提供する信和アセットマネジメント。2024年に続き、このたび第2号ファンドを組成した。大阪、東京、名古屋など大都市圏で投資割安感のあるエリアにねらいを定め、私募ファンドは年間100億円程度を積み上げていく。AM会社として細やかな対応を行う同社は、事業再生型の案件も手掛ける。同社の永谷将人副社長にレジファンドに対する需要や今後の戦略などを聞いた。
永谷 将人 副社長に聞く
大阪に本社を置く総合不動産会社、信和グループが開発するレジデンスを中心に投資機会を提供する信和アセットマネジメント。2024年に続き、このたび第2号ファンドを組成した。大阪、東京、名古屋など大都市圏で投資割安感のあるエリアにねらいを定め、私募ファンドは年間100億円程度を積み上げていく。AM会社として細やかな対応を行う同社は、事業再生型の案件も手掛ける。同社の永谷将人副社長にレジファンドに対する需要や今後の戦略などを聞いた。
足元の不動産投資市場をどう見る?
国内の金利上昇、アメリカの関税政策など転換期の中で、若干の小康状態という感覚はあるが、日本の不動産投資市場は総じて堅調とみる。バブル期以来30年ぶりにインフレが到来し、投資家は賃料上昇期待を織り込んできている。東京や大阪は世界でトップクラスのGDPを持つエリアであり、諸外国からの資金流入はまだまだ続くだろう。
第2号私募ファンドが運用を開始した。
2024年6月に続き、レジデンシャルファンドを組成した。大阪と名古屋に立地するレジ5物件が対象で、資産規模は110億円。結果、われわれのAUMは700億円規模に成長した。取得物件の大半は信和グループが開発した築1年、駅から徒歩10分、40㎡程度の1LDKを中心とした物件。コア系の戦略で投資家に訴求するには、築浅にはこだわりを持っている。レジの投資戦略は、安定的なインカムゲインと資産価値の維持・向上に尽きる。これを実現するため、大都市の中でも割安感があり、かつ今後の成長が見込めるエリアを見出して投資を振り向ける。
組み入れた物件のうち大阪では、中百舌鳥駅周辺で取得した。中百舌鳥駅は南海電鉄高野線が、なかもず駅は大阪メトロ御堂筋線が乗り入れ2路線を利用できる。大阪府堺市に位置し、なんばまで南海電鉄で約30分、梅田まで約35分の御堂筋線は始発駅でもある。昨今は、大阪都心部の賃料は上昇基調で、大阪市内に通勤する単身者やDINKSの需要は周辺部に染み出している。こうした人々の需要を背景に、足元で都心に比較して割安な賃料には成長余地もある。
名古屋で組み入れた物件は、人口集積が高く、入居者の賃料負担力が高いという数少ないエリアに立地する。名古屋駅前などは需給要因を背景になかなか賃料が伸びないなか、現時点では良い物件を選別的に取得するに止まる。今回は、個別性の強い中でもトップクラスの物件で安定性が確保できるため、地域分散を考えて取得を判断した。
2号ファンドに参加した投資家は、機関投資家と事業会社。あえて1号とは全く異なる方々とした。今後の成長を見据えると、ネットワークの拡大は当然に肝となってくる。そこでこれまで信和グループとは取引がなかった先にダイレクトアクセスし、ご理解を得て資金を入れていただいた。
レジファンドの需要とグロースの見方は?
従前に比べて需要は高まっており、期待はグロースにシフトしつつある。日本のレジは、長らく安定性を代表するアセットで、レジをニュートラルにして、時勢によりオフィスやロジスティクスをオーバーまたはアンダーウェイトに調整するなど、ファンドの中では多少キャップレートが低くても組み込まれ、景気に対する下方硬直性が強いことが魅力であった。これが昨年来のインフレ基調で、急速に賃料の上昇が見えてきている。この状況下で、特に海外の投資家からは、グロースを織り込んで投資したいという声が顕著に増えている。
各タイプの賃料が上昇基調にあるなか、最も上昇率が高かったのは1ルーム、1Kタイプ。足元でここがほぼ限界点に達してきており、次は1LDK、小さ目の2LDKに上昇需要がシフトしてきた。今まで賃料の上昇という経験がなかったテナントやPMは、グロス賃料が小さい1ルームタイプから徐々に市況を見て賃料を引き上げ、また受け入れており、大阪中心部のレジ賃料上昇率は、足元でほぼ東京に追いついている。ただし、トラックレコードがなく、ここからはまさに前人未踏の領域になる。取得価格も高止まりのなか、われわれはグループ力を発揮して、投資機会を提供していく。
信和グループとしての強みについて。
信和グループは、ゼネコン、デベロッパー、管理会社、ホテルおよびシニアハウスの運営会社等々を抱える総合不動産グループである。賃貸を主体としたレジの開発は、割安感あるエリアを攻め、10~15%高い賃料設定でも稼働率は97%を超える。「スプランディッド」シリーズは街の価値に貢献する外観、建物の作りを活かした内装で、分譲の仕様を凌駕するこだわりを持っている。われわれAMは強みとして、投資戦略の立案や修繕計画、物件取得時にグループ力を最大限活用できる。
例えば、賃料のグロースについてどこまで織り込むかという議論では、管理会社である信和コミュニティが足繁く該当駅周辺の不動産会社を回るなどして、リアルな情報をグループ内に共有する。そこでファンドのアンダーライティングとして厳しく数字を詰めている。予測にボラティリティが出てもアベレージで利益が出ればいいという考え方ではなく、1件ずつきっちりとしたアンダーライティングをするので、物件の個別性を如実に捉えた強いポートフォリオを構築できる。
民泊やホテルの可能性をどうみる?
レジが投資対象としてコアであることに間違いないが、民泊やホテルは成長性の高いアセットと認識している。
コロナ禍でホテルが大きな打撃を受けた一方、民泊は稼働率を比較的落とさなかったことで市民権を得た。背景には、観光ではなく滞在が必要なビジネスマンによる中長期の宿泊需要があったこと、そして遠出ができない人々が友人らと会う場所として使用したことがある。需要はポストコロナで外出できるようになっても減らず、さらにインバウンド需要が入る中ではインフレのグロースを吸収できるアセットタイプとして成長著しい。
しかし諸外国に比べると、日本の民泊に対する規制は厳しい。大阪は特区を設けているものの広さ(㎡)には規制があり、東京は区によって規制が異なる煩雑さが存在する。また、投資家から見ると、オペレーションについてレジに不特定多数の人が出入りすることを、レピュテーションリスクとしてどう考えるかという課題がある。われわれはレジファンドの中に一部民泊施設を含むことは許容できるが、民泊ファンドを責任の下で運営できるまでには、より一層の研鑽が必要である。われわれは、ここでもグループ力の強みを活かして知見を積み上げ、投資家に還元する商品組成を検討していきたい。
ホテルについては外部からの取得を中心に、私募ファンドまたはセパレートアカウントでの商品組成、この両面で可能性がある。
シニアアセットの難しさとは?
住居関連施設が中心の投資対象であり、グループ内にシニアハウスの運営会社もいるため、当然コアアセットの1つではある。だが、デットの調達には難しさが否めない。全国で展開するオペレーターのようなクレジットでないと融資が付きづらいなど、デットのバラエティに欠ける日本の状況は機会ロスにつながってしまう。一方で、介護保険を背景としたキャッシュフローは行政リスクがあり、中小のオペレーターの体力は持続性に乏しいなど業界が抱える問題もある。
規格化されたデットは、3年や5年などのマチュリティがあり、出口時点でのキャップレートやLTVの状況によっては事業を大きく左右する。これでは、アセットタイプを多様化する挑戦や中長期目線でのチャレンジがしづらい状況が生まれる。アメリカなどでは、出し手やローンタイプの層が厚く、ターゲットとするリスクリターンも異なる。今後、日本の不動産投資市場が拡大していくうえで1つの大きな課題になるだろう。
事業再生案件に積極的に取り組む。
2024年12月に取り組んだホテルの事業再生案件は、今年2月にあおぞらサービサーと組んでキャッシュマネジメントをリストラクチャリングした結果、4カ月で劇的な変化を見せた。
再生するホテルは、関西の主要都市に立地する約200室の大型ホテル。30年程度の築年数が経過するなか、保有者であった海外投資家がコロナ禍の2021年にリファイナンスを実行したため高い金利負担を強いられ、設備の改修費が捻出できない状況に陥った。これを受けて、われわれが救済型ファイナンスの道を拓くこととなった。エアコンの故障や水回りのトラブルなどで稼働できない客室を抱えていたが、ファイナンスをリストラクトした結果、稼働率で20%、ADRは50%程度の上昇を実現している。今後もAM事業の根幹である投資家保護と投資家利益の拡大を念頭に、事業再生案件には積極的に関わっていく。
今後の市場リスクをどうみる?
アメリカの関税政策に対する反応で記憶に新しいのは、2018年の第一時トランプ政権時だ。この時は、株価の急落、債券価格の上昇、新興国からの資金流出があったが、深刻な流動性危機には至らなかった。現在の政策でも、株価の下落や金利の上昇要因にはつながるものの、アメリカ、日本共に内需は概ね底堅く、大きな流動性危機のトリガーにはならないとみる。一方金利は、インフレ局面と相まって日本での上昇は避けられないだろう。それをカバーするトップラインの引き上げと、万が一に備えるレバレッジコントロールは確実に行っていく。われわれがコアに据えるレジアセットは、安定性も高く下方硬直性も強い。キャッシュフロー向上に努めながら、引続きオーバーウェイトの姿勢で投資を継続する。
永谷 将人[ながたに まさと]
1994年 慶応義塾大学卒業後、日本債券信用銀行(現:あおぞら銀行)入行。不動産ファイナンス部等を経て、2006年 メリルリンチ日本証券㈱入社。不動産ノンリコースローンのオリジネーション、CMBSの企画・組成および販売を一気通貫して手掛ける。2008年 GEリアルエステート㈱入社。ストラクチャードファイナンス本部長として同社の日本における不動産ノンリコースローンポートフォリオの拡大を進める。2014年 あおぞら銀行に戻り、同行ニューヨーク拠点長として米国不動産投融資事業等に携わった。
2021年より信和アセットマネジメント㈱において、同社の不動産ファンド事業全般を指揮している。
2021年より信和アセットマネジメント㈱において、同社の不動産ファンド事業全般を指揮している。





























